NO.1154
広域連携バス 2路線で/筑西市と桜川市
筑西市と桜川市は、公共交通のあり方を探るため、10月からつくば市との間で広域連携バス運行の実証実験を始める。ルートは、民間の路線バスが運行を廃止した区間。2016年度末までの実験結果を踏まえて、コミュニティーバスの相互乗り入れなど、つくば市を中心とした広域連携バスのネットワーク化を目指す。
筑西、桜川、つくばの3市と下妻市は15年12月に「公共交通網の広域連携を図る検討会議」を設立。今年6月には常総市もメンバーに加わり、つくばエクスプレス(TX)や高速バスのターミナルを持つつくば市方面への移動手段の充実を中心に、自治体間の広域的な公共交通網の形成を目指している。
今回の実証実験はその第一歩。筑西市は下館駅を、桜川市は市役所真壁庁舎を始発とし、それぞれつくば市の筑波山口バスターミナル(BT)までのバスを事業者に委託して運行する。
同BTからはつくば市が運行するコミュニティーバス「つくバス」の北部シャトル線に乗り換え、TXの駅などがある市内中心部に移動できるほか、筑西市中心部と桜川市真壁地区も乗り継ぎで行き来が可能となる。
筑西市が運行するバス便は、下館駅~同BT間の約16キロを35~40分で結ぶ。1日7往復が運行され、途中に村田、明野支所前など13か所の停留所が設けられる。
桜川市のバス便は真壁庁舎~同BT間の約11キロを約30分で結ぶ。本数は1日16往復で、途中の停留所は桃山中学校、紫尾小学校西など9か所となる。
運賃は両区間内とも200円の均一運賃。つくバス北部シャトル線と乗り継ぐ場合は、行き帰りとも乗り継ぎ先のバス便の運賃が100円割引となる。
いずれの区間も、かつては民間の路線バスが運行されていたが、同BTから下館方面は08年に、真壁方面は11年に廃止。現在は日中のみ予約制のデマンドタクシーが運行されている。
バスの運転訓練車県内初導入/富士急行
バスが追突事故を起こしたり、走行中の揺れで乗客が転倒したりするのを防ぐため、富士急行(富士吉田市)がこのたび、教育訓練車を導入し、運転手の安全指導の強化に乗り出している。視線の動きや、アクセルやブレーキの強さなど、運転手の癖を数値化して記録できるため、これまでの勘や経験に頼った指導より効率的にできるのが特徴だ。近年、バス業界で重大事故が相次ぎ、対策は急務。訓練車の導入は県内では同社が初めてといい、「数値に基づく客観的な指導で、さらなる安全運転を目指したい」としている。
訓練車は今年7月に1台導入。見た目は普通の路線バス(全長9メートル)だが、運転席の左後方に教官用の座席があり、計測した数値を表示するパソコンが置かれている。
訓練車を使った研修には、教官の同社のベテラン運転手が同乗。運転手は、視線の動きを記録できる機械のついた帽子をかぶり、営業所周辺を約30分間走行すると、アクセルやブレーキの強さ、車内の揺れ、視線の配り方などが測定され、数値が車載のパソコンに記録されていく。営業所に戻り、これらの数値をもとに教官が「運転中左側を見過ぎている」「交差点ではエンジンの回転数を抑えて」など、運転の癖や改善すべき点を指導する。対象の運転手は、県内外の営業所で路線バスや貸し切りバスを担当する約750人に上り、今年度中に全員に研修を受けてもらう予定という。
導入のきっかけは、2012年4月、群馬県藤岡市の関越道でツアーバスが防音壁に衝突し、7人が死亡した事故。今年1月には長野県軽井沢町でツアーバスが崖下に転落し、15人が死亡するなど、バス業界では運転手の安全管理に起因する重大事故が後を絶たない。
このため、バス業界では訓練車の導入が進む。京王バス(東京都府中市)は07年に1台導入し、約1700人の運転手が定期的に研修を受けている。同社の担当者は「導入以来、事故や乗客の苦情が減っている。職人気質の運転手も、数字を根拠に指導すれば納得する」と効果を語る。
安全指導の強化には、運転手を安定的に確保する狙いもある。国土交通省によると、路線バスを含めた事業用バス運転手の平均年齢は年々上昇。03年に45・9歳だったのが、13年には48・3歳となり、全産業の平均(42・0歳)を大きく上回る。
富士急行の運転手の平均年齢も約51歳(今年6月時点)で、若者のなり手が少ないという。大きな交通事故を起こした運転手は退職せざるを得なくなるという。同社は「安全への対策を強化することで、お客さまからの信頼はもちろん、運転手の確保にもつなげたい」と話している。
松江、出雲、石見銀山周遊バス/一畑トラベルサービスと大田市観光協会
一畑トラベルサービスと大田市観光協会は11日、松江、出雲両市と世界遺産の石見銀山(大田市)を結ぶ周遊バス「らとちゃんバス」の運行を始めた。
バスは午前8時、松江市の一畑電車松江しんじ湖温泉駅を出発。JR松江駅、玉造温泉ゆ~ゆ前、JR出雲市駅の乗車場所を周り、午前10時40分に石見銀山公園に到着する。
その後、バスは出雲大社、温泉津温泉と石見銀山公園を巡り、午後6時半に松江しんじ湖温泉駅に戻る。
年内の運行日は13日と、9~11月の土曜、日曜、12月3、4日。往復料金は中学生以上3800円(片道2000円)、小学生1900円(同1000円)。要予約。
申し込みは前日午後5時までに専用ダイヤル(0852・21・0277)へ。
バス ヒマワリ一色 笠岡で運行/井笠バスカンパニー
井笠バスカンパニー(笠岡市)は、車体をヒマワリの絵で覆ったラッピングバスを運行している。10月31日まで笠岡市内を中心に走る。
外装に加え、内装も座席カバーを車体と同じデザインで統一。ヒマワリの造花も並べ、花畑のような雰囲気を演出している。
土日・祝日は、同市立カブトガニ博物館や竹喬美術館などを巡る路線「笠岡いいとこ巡りバス」で、平日は路線バスで運行する。
道の駅「笠岡ベイファーム」のヒマワリ畑も見頃を迎えており、小嶋光信社長は「動く広告塔として活用したい」と話している。
路面電車脱線でレール接触調査/長崎電気軌道
長崎市桶屋町の公会堂前交差点で6月、長崎電気軌道の蛍茶屋発赤迫行き路面電車が脱線した事故を受け、同社は17日深夜から18日未明にかけ、脱線した車両の台車部分を現場で通過させ、レールとの接触状況を調査した。
調査では、脱線した車両のほか、別の車両の台車部分を使用。車輪部分にビデオカメラを取り付け、作業員が押して往復しながら、車輪やレールの状況を撮影した。別のカメラで揺れや音も記録。19日には車両を走らせて同様の調査を行い、映像を分析して事故原因を探る。
同交差点のカーブでは、2007年以降、4回の脱線事故が発生。15年10月の事故後にはレールを交換しており、6月の事故後の調査ではレールの異常は認められなかったという。
観光客回復5031万人 震災前の9割近くに/福島
2015年に本県を訪れた観光客は、前年比7・3%増の5031万人だったことが県のまとめでわかった。東日本大震災前の10年(5717万人)の88・0%と9割近くの水準まで回復した。県は、15年4~6月に実施した大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン」などの効果が出たと説明している。
県が集計対象としたのは、10~14年の観光客数が年1万人以上か、1か月に5000人以上となった観光地やイベント。3月に震災と東京電力福島第一原発事故が起きた11年は前年比38・4%減の3521万人と大幅に減少したが、その後は回復傾向が続いている。
15年の地域別では、中通り地方が2064万人、会津地方が1889万人、浜通り地方が1077万人。観光地別では、磐梯高原(北塩原村)が217万人、スパリゾートハワイアンズ(いわき市)が197万人、あづま総合運動公園(福島市)が186万人などだった。
修学旅行などの教育関係の旅行者や、外国人観光客は震災前の5割程度にしか回復していない。県観光交流課の担当者は「PRを強化して震災前の水準に戻したい」と話している。
筑西市と桜川市は、公共交通のあり方を探るため、10月からつくば市との間で広域連携バス運行の実証実験を始める。ルートは、民間の路線バスが運行を廃止した区間。2016年度末までの実験結果を踏まえて、コミュニティーバスの相互乗り入れなど、つくば市を中心とした広域連携バスのネットワーク化を目指す。
筑西、桜川、つくばの3市と下妻市は15年12月に「公共交通網の広域連携を図る検討会議」を設立。今年6月には常総市もメンバーに加わり、つくばエクスプレス(TX)や高速バスのターミナルを持つつくば市方面への移動手段の充実を中心に、自治体間の広域的な公共交通網の形成を目指している。
今回の実証実験はその第一歩。筑西市は下館駅を、桜川市は市役所真壁庁舎を始発とし、それぞれつくば市の筑波山口バスターミナル(BT)までのバスを事業者に委託して運行する。
同BTからはつくば市が運行するコミュニティーバス「つくバス」の北部シャトル線に乗り換え、TXの駅などがある市内中心部に移動できるほか、筑西市中心部と桜川市真壁地区も乗り継ぎで行き来が可能となる。
筑西市が運行するバス便は、下館駅~同BT間の約16キロを35~40分で結ぶ。1日7往復が運行され、途中に村田、明野支所前など13か所の停留所が設けられる。
桜川市のバス便は真壁庁舎~同BT間の約11キロを約30分で結ぶ。本数は1日16往復で、途中の停留所は桃山中学校、紫尾小学校西など9か所となる。
運賃は両区間内とも200円の均一運賃。つくバス北部シャトル線と乗り継ぐ場合は、行き帰りとも乗り継ぎ先のバス便の運賃が100円割引となる。
いずれの区間も、かつては民間の路線バスが運行されていたが、同BTから下館方面は08年に、真壁方面は11年に廃止。現在は日中のみ予約制のデマンドタクシーが運行されている。
バスの運転訓練車県内初導入/富士急行
バスが追突事故を起こしたり、走行中の揺れで乗客が転倒したりするのを防ぐため、富士急行(富士吉田市)がこのたび、教育訓練車を導入し、運転手の安全指導の強化に乗り出している。視線の動きや、アクセルやブレーキの強さなど、運転手の癖を数値化して記録できるため、これまでの勘や経験に頼った指導より効率的にできるのが特徴だ。近年、バス業界で重大事故が相次ぎ、対策は急務。訓練車の導入は県内では同社が初めてといい、「数値に基づく客観的な指導で、さらなる安全運転を目指したい」としている。
訓練車は今年7月に1台導入。見た目は普通の路線バス(全長9メートル)だが、運転席の左後方に教官用の座席があり、計測した数値を表示するパソコンが置かれている。
訓練車を使った研修には、教官の同社のベテラン運転手が同乗。運転手は、視線の動きを記録できる機械のついた帽子をかぶり、営業所周辺を約30分間走行すると、アクセルやブレーキの強さ、車内の揺れ、視線の配り方などが測定され、数値が車載のパソコンに記録されていく。営業所に戻り、これらの数値をもとに教官が「運転中左側を見過ぎている」「交差点ではエンジンの回転数を抑えて」など、運転の癖や改善すべき点を指導する。対象の運転手は、県内外の営業所で路線バスや貸し切りバスを担当する約750人に上り、今年度中に全員に研修を受けてもらう予定という。
導入のきっかけは、2012年4月、群馬県藤岡市の関越道でツアーバスが防音壁に衝突し、7人が死亡した事故。今年1月には長野県軽井沢町でツアーバスが崖下に転落し、15人が死亡するなど、バス業界では運転手の安全管理に起因する重大事故が後を絶たない。
このため、バス業界では訓練車の導入が進む。京王バス(東京都府中市)は07年に1台導入し、約1700人の運転手が定期的に研修を受けている。同社の担当者は「導入以来、事故や乗客の苦情が減っている。職人気質の運転手も、数字を根拠に指導すれば納得する」と効果を語る。
安全指導の強化には、運転手を安定的に確保する狙いもある。国土交通省によると、路線バスを含めた事業用バス運転手の平均年齢は年々上昇。03年に45・9歳だったのが、13年には48・3歳となり、全産業の平均(42・0歳)を大きく上回る。
富士急行の運転手の平均年齢も約51歳(今年6月時点)で、若者のなり手が少ないという。大きな交通事故を起こした運転手は退職せざるを得なくなるという。同社は「安全への対策を強化することで、お客さまからの信頼はもちろん、運転手の確保にもつなげたい」と話している。
松江、出雲、石見銀山周遊バス/一畑トラベルサービスと大田市観光協会
一畑トラベルサービスと大田市観光協会は11日、松江、出雲両市と世界遺産の石見銀山(大田市)を結ぶ周遊バス「らとちゃんバス」の運行を始めた。
バスは午前8時、松江市の一畑電車松江しんじ湖温泉駅を出発。JR松江駅、玉造温泉ゆ~ゆ前、JR出雲市駅の乗車場所を周り、午前10時40分に石見銀山公園に到着する。
その後、バスは出雲大社、温泉津温泉と石見銀山公園を巡り、午後6時半に松江しんじ湖温泉駅に戻る。
年内の運行日は13日と、9~11月の土曜、日曜、12月3、4日。往復料金は中学生以上3800円(片道2000円)、小学生1900円(同1000円)。要予約。
申し込みは前日午後5時までに専用ダイヤル(0852・21・0277)へ。
バス ヒマワリ一色 笠岡で運行/井笠バスカンパニー
井笠バスカンパニー(笠岡市)は、車体をヒマワリの絵で覆ったラッピングバスを運行している。10月31日まで笠岡市内を中心に走る。
外装に加え、内装も座席カバーを車体と同じデザインで統一。ヒマワリの造花も並べ、花畑のような雰囲気を演出している。
土日・祝日は、同市立カブトガニ博物館や竹喬美術館などを巡る路線「笠岡いいとこ巡りバス」で、平日は路線バスで運行する。
道の駅「笠岡ベイファーム」のヒマワリ畑も見頃を迎えており、小嶋光信社長は「動く広告塔として活用したい」と話している。
路面電車脱線でレール接触調査/長崎電気軌道
長崎市桶屋町の公会堂前交差点で6月、長崎電気軌道の蛍茶屋発赤迫行き路面電車が脱線した事故を受け、同社は17日深夜から18日未明にかけ、脱線した車両の台車部分を現場で通過させ、レールとの接触状況を調査した。
調査では、脱線した車両のほか、別の車両の台車部分を使用。車輪部分にビデオカメラを取り付け、作業員が押して往復しながら、車輪やレールの状況を撮影した。別のカメラで揺れや音も記録。19日には車両を走らせて同様の調査を行い、映像を分析して事故原因を探る。
同交差点のカーブでは、2007年以降、4回の脱線事故が発生。15年10月の事故後にはレールを交換しており、6月の事故後の調査ではレールの異常は認められなかったという。
観光客回復5031万人 震災前の9割近くに/福島
2015年に本県を訪れた観光客は、前年比7・3%増の5031万人だったことが県のまとめでわかった。東日本大震災前の10年(5717万人)の88・0%と9割近くの水準まで回復した。県は、15年4~6月に実施した大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン」などの効果が出たと説明している。
県が集計対象としたのは、10~14年の観光客数が年1万人以上か、1か月に5000人以上となった観光地やイベント。3月に震災と東京電力福島第一原発事故が起きた11年は前年比38・4%減の3521万人と大幅に減少したが、その後は回復傾向が続いている。
15年の地域別では、中通り地方が2064万人、会津地方が1889万人、浜通り地方が1077万人。観光地別では、磐梯高原(北塩原村)が217万人、スパリゾートハワイアンズ(いわき市)が197万人、あづま総合運動公園(福島市)が186万人などだった。
修学旅行などの教育関係の旅行者や、外国人観光客は震災前の5割程度にしか回復していない。県観光交流課の担当者は「PRを強化して震災前の水準に戻したい」と話している。
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