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交通労連 軌道バス部会

全国のバス・鉄道に係る情報です
2013/03/19

NO.649 第7回貸切バスの運賃・料金WG(最終)

標記のWGの最終回となる、



第7回目が3月19日開かれた








これまで論議してきたことの最終的なとりまとめである












「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ最終報告案」







 平成24年7月に学識経験者、貸切バス事業者、労働組合、旅行業者等の関係者から構成される「貸切バス運賃・料金制度WG(座長:加藤博和名古屋大学大学院准教授)」を設置し、合理的で実効性のある貸切バスの運賃・料金制度の構築に向けて検討を進めてきたところ、今般、以下のとおり、「バス事業のあり方検討会」への最終報告を行う













◆課題

 需給調整規制廃止後の競争の増加、公示運賃・料金が実態に即していないこと等から、以下の課題が顕在化


○ 公示運賃・料金が物価動向や現在の原価計算の前提条件を適切に反映していない
○ 運賃・料金の適用方法も複雑で分かりにくい
○ 需給調整規制の廃止後供給過剰となる一方で、旅行形態の変化等による需要減少とインターネットの普及により価格競争が激化し、公示運賃・料金の下限を下回った運賃での取引が多く行われている
○ 運賃・料金の決定に旅行業者等の運送申込者の意向が強く反映
○ 営業収入が減少し、人件費や車両整備費の抑制、労働条件の悪化等により、安全・安心を脅かす事態が
懸念






◆検討の視点

①取引実態を踏まえた制度設計
②法令遵守や事故防止等、サービス改善等の促進
③国民目線・消費者目線の適切な反映
④関係者間の取引実務円滑化及び貸切バス事業者による創意工夫・需要喚起の促進
⑤事後チェックの確保






◆制度の再構築

<合理的で実効性ある運賃・料金制度>


1.「審査不要運賃」と「安全コスト審査対象運賃」・「利用者保護審査対象運賃」の枠組みの導入


上限=「利用者保護審査対象運賃」25→30%
        ↑
     「審査不要運賃」
        ↓
下限=「安全コスト審査対象運賃」15→10%



2.「時間・キロ選択制運賃方式」から「時間・キロ併用制運賃方式」への移行


 費用項目を時間制費用とキロ制費用に分類して算定した時間制運賃とキロ制運賃をベースとして算出・合計する「時間・キロ併用制運賃」に移行。




<貸切バス事業者と運送申込者との適正な取引の確保に向けた事後チェックの強化等>

①書面取引の徹底
②「貸切バス選定・利用ガイドライン」の改訂による適正な取引の周知・普及
③監査の重点化・処分の徹底
④観光庁との連携の強化・トラック運送における荷主勧告制度に相当する制度の検討




◆今後の進め方
 
本年10月に新制度に移行することとし、本WGにおいて準備状況等をフォローアップすべき






これが大まかな概略である




報告書については、
本日の論議を経て一部、
修正・加筆するが、
内容は以下の通りである

(第3章のみ抜粋)







1.新たな運賃・料金制度の具体的なあり方




(1) 運賃・料金制度に関する規制とその運用のあり方
① 運賃・料金制度に関する規制の枠組み
貸切バスの運賃・料金に関する規制の枠組みとして、現在は、

ⅰ) 地方運輸局長等において標準的な原価に基づいて算出した基準額を中心に上下に一定の幅で上限と下限を設定し、公示する、

ⅱ) 貸切バス事業者が届け出た運賃・料金が当該幅の中の額であれば受理するのみとする一方、上限を上回る額又は下限を下回る額である場合には、変更命令の対象とすべきか否かについて個別に審査を行う、


ⅲ) 審査の結果、適切であると判断されれば変更命令の対象とはせず、不適切であると判断されれば変更命令を発する、


制度としているが、運賃については、この枠組み自体は維持すべきである。ただし、当該枠組みの運用については、以下②~⑤のように変更すべきである。一方、料金については、事業者の創意工夫により貸切バスサービスの付加価値を向上させる取り組みを促す見地から、公示により変更命令審査を要しない範囲を公示する制度は廃止し、貸切バス事業者において自由に設定して届け出ることができることとすべきである。





② 上下限の幅の基準額への安全コストの反映
地方運輸局長等が上下限の幅の設定の基礎となる基準額を算出するにあたっては、法令上義務付けられている安全措置に関する経費及び法令上義務付けられてはいないものの望ましいと考えられる他の安全措置に関する経費を確
実に計上して盛り込むべきである。法令上義務付けられている安全措置に関する経費としては、運転者適性診断経費・運転者安全教育関係経費・運行管理者指導講習経費・整備管理者研修経費などの運転者等に対する教育研修に係る経費、アルコールチェッカーや運行記録計などの機器類に係る経費、休憩仮眠施設の保守管理費・車両定期
点検整備費などの施設や車両に関する保守経費などを、また、法令上義務付けられてはいないものの望ましいと考えられる他の安全措置に関する経費としては、貸切バス安全性評価認定経費、デジタル式運行記録計導入費、事故防止に係るコンサルティング経費などの事故防止対策経費を、それぞれ計上すべきである。
なお、基準額の算出に係る原価の算定に際しては、従来の標準能率事業者の考え方を踏まえ事業者を選定してこれを行うべきである。





③ 新たな上下限の幅の設定
下限については、貸切バス事業においては安全コストには直接結びつかない一般管理費と営業外費用が総費用に占める割合が約10%であることを踏まえ、基準額から10%割り引いた額で設定することとするべきである。一方、上限については、利用者保護の観点から著しく高いとみなす必要がない範囲として、基準額に30%上乗せした額で設定し、上下限の間の幅の運賃を「審査不要運賃」とみなすべきである。





④ 変更命令審査の対象とその運用方針
③で設定した下限を下回る運賃については、「安全コスト審査対象運賃」として変更命令の対象とすべきか否かについて審査を行うべきである。この場合の審査は、事業者から原価計算書その他の運賃算出の基礎となる資料を求め、②の安全コストが確実に計上されているか否か等について厳格に行うべきである。一方、上限を上回る運賃については、「利用者保護審査対象運賃」として変更命令の対象とすべきか否かについて審査を行うべきである。この場合の審査は、利用者保護の観点から著しく高いか否かについて行うべきである。





⑤ 各種割引の位置付け
身体障害者割引や学校割引などの現行の割引制度については、運賃・料金の標準適用方法に「ただし、審査不要運賃の下限までを限度とする」旨のただし書きを追記することを前提として、引き続き維持すべきである。なお、下限を下回る割引運賃について変更命令審査を受けて適切と判断されれば、当該貸切バス事業者の適用方法にただし書きを記載しないことができることとするべきである。





(2) 時間・キロ併用制運賃への移行
① 時間・キロ併用制運賃の考え方とその仕組み
複雑でわかりにくいとされる運賃の種類について、原価計算における費用項目を時間制費用とキロ制費用とに区分してそれぞれの賃率を算出し、時間賃率に拘束時間を乗じて計算された時間制運賃とキロ賃率に走行キロを乗じて計算されたキロ制運賃とを合算して計算する「時間・キロ併用制運賃」を導入し、運賃の種類を一本化するべきである。





② 最低運賃及び長距離逓減の扱い
最低運賃については、時間制運賃について、3時間未満の運行については3時間を拘束時間として計算した時間運賃を収受するべきである。一方、長距離逓減については、キロ制費用が総原価の2割程度であり逓減効果が少ないことを踏まえ、適用しないこととするべきである。





③ 費用水準に係る地域差の反映
現行の公示運賃・料金は、各地方運輸局及び沖縄総合事務局(以下「地方運輸局等」)の管轄区域を基本としてブロックを設定して公示しているが、新たな運賃についても、同様の考え方に基づいてブロックを設定することを基本とするべきである。一方で大都市圏を有するブロックにおいて、同じブロック内でも費用水準に大きな違いがある場合については、大都市圏に所在する貸切バス事業者の原価を分析し、ブロック内で費用水準に大きな違いがある場合には、当該大都市圏については別のブロックとして設定することとするべきである。





(3) 料金の種類及び適用方法
現行の待機料金、航送料金、回送料金は、時間・キロ併用制運賃の導入により、待機等に係る時間制費用は運賃として収受できるため、料金としては廃止し、運賃に包含して収受するべきである。なお、宿泊待機時間については、一定の時間は運賃の算定の対象から除外する扱いとするべきである。一方、現行の深夜早朝運行料金及び特殊な設備を有する車両を用いる割増料金や、法令上の義務、運送申込者の要望、自社の安全管理上の理由等から交
替運転者を乗車させる場合の交替運転者配置料金については、料金として収受するべきである。





2.貸切バス事業者と旅行業者等の運送申込者との適正な取引の確保

貸切バス事業者と旅行業者等の運送申込者との間で健全な取引関係を確立し、新たな運賃・料金制度の確実な遵守を確保するためには、書面取引の徹底を図るとともに、道路運送法に基づく地方運輸局等による監査等の事後チェックを強化する必要がある。このため、既に義務化された書面取引を活用して、事後チェックできる情報の充実、事後チェックの頻度の向上、さらには運送申込者に対する抑止力の発揮といった観点からの以下の方策を取るべきである。





(1) 書面取引の徹底を図るための具体的方策
① 運送引受書の記載事項の見直し等
書面取引の効果を最大限発揮するため、運送引受書について、支払い・収受した額の適正さがわかるよう、現行の走行距離と走行時間に加え、運賃、料金、実費といった支払い・収受した額の内訳がわかるように記載事項を改めるべきである。また、領収書の発行についても徹底を図るべきである。





② 運送引受書の作成・交付・保存状況及び記載内容の重点的な監査
地方運輸局等による監査の重点事項として、運送引受書の作成・交付・保存状況及びその記載内容を位置付けることにより、取引の適正さに係る行政機関による事後チェックの頻度を向上させるべきである。





③ 「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」の改訂及びその周知徹底
旅行業者、地方自治体、学校関係者等の運送申込者に対して貸切バスを選定・利用する際のポイントを示している「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」を改訂し、運送引受書の発行・保存の必要性等の書面取引の徹底に係る記述を追加するとともに、その内容の周知・徹底を図るべきである。





(2) 事後チェックの強化及び安全阻害行為等に対する抑止力の発揮
① 道路運送法に基づく監査の実施の強化
地方運輸局等が実施する監査の重点事項として、(1)②のとおり運送引受書に係る事項を位置付け、取引の適正さに係る事後チェックの頻度を向上させるとともに、違反が判明した場合には、確実かつ厳正に処分を行うべきである。





② 観光庁との連携の強化
貸切バス事業者による違反行為に関し、旅行業者の関与が疑われる場合には、速やかに違反行為に関する情報を観光庁に通報する体制を整備するとともに、旅行業法に基づく処分等を確実に行うべきである。また、観光庁による旅行業者への立入検査にあたっては、観光庁と自動車局系組織とが密接に連携を図るべきである。





③ 運送申込者による安全阻害行為等が疑われる場合の対応
運賃・料金に係る法律違反について、運送を引き受ける貸切バス事業者への命令・処分等のみでは再発防止が困難であるような場合が存在することを踏まえ、貨物自動車運送事業法における「荷主勧告制度」に相当する制度を導入することについて、今後、検討を進めていくべきである。



3.新たな運賃・料金制度の定着に向けた取り組み

(1) 移行のスケジュール
新たな運賃・料金制度に移行するため、今後、制度の詳細や公示する上下の幅を設定するための基準額の算定方法の検討、算定された基準額の検証等を行う必要がある。これらの検討や検証の作業については、必要に応じて本ワーキンググループにおいてフォローアップすることを前提として、平成25年度中に速やかに新たな運賃・料金制度に移行できるよう、取り組みを進めていくべきである。





(2) 円滑な移行のための環境整備
① 業界団体等における周知・啓発等の活動の実施
貸切バス事業の業界団体においては、新たな運賃・料金制度や原価計算方法等に係るセミナー等を開催するなど、中小の事業者も含めた貸切バス事業者全般に対して、新たな制度等の周知・普及を図るべきである。また、旅行業の業界団体も含め、適正な運賃・料金の収受に係る指導や啓発活動を積極的に実施していくべきである。





② 利用者に対する積極的な情報の提供
ⅰ) 行政における取り組み
新たな運賃・料金制度への移行に当たり、国土交通省自動車局においては、貸切バス事業者、旅行業者のほか、広く利用者に対する説明会等を開催するなどし、安全性の確保と新たな運賃・料金制度への理解を促進するべきである。なお、地方自治体をはじめ、入札制による価格決定方式を採用している運送申込者に対して、下限を下回る運賃については安全コストが適切に計上されているか否かを審査により確認しなければならない運賃であり、国土
交通大臣へ事前の届出がなされなければならないものであることを踏まえて入札が実施される必要があることを周知する必要があることから、この旨を「輸送の安全を確保するための貸切バス選定・利用ガイドライン」に明記
するべきである。





ⅱ) 業界団体における取り組み
貸切バス事業に係る業界団体及び旅行業に係る業界団体においては、説明会等を開催するなどし、傘下の事業者に対して新たな運賃・料金制度に係る周知・普及を図るべきである。また、「貸切バス事業者安全性評価認定制度」や高い安全性の確保に取り組む良質な貸切バス事業者について、広報の強化を図り、広く周知・普及するべきである。





ⅲ) 貸切バス事業者における取り組み
貸切バス事業者は、安全性確保に係る事業・投資計画及び取組実績、車両・乗務員の質の高さ、過労運転防止機器等最新の装置等の導入状況等、利用者が貸切バス事業者を選択する上で参考となる情報を、自ら積極的に開示するべきである。その際、「貸切バス事業者安全性評価認定制度」による認定の取得等についても積極的にPR するべきである。









これまで意見・要望してきたことが、

おおよそ盛り込まれたが、





この決められたことを、如何に周知・徹底させるかが問題であり、

さらに言えば、

旅行業協会や日本バス協会に加盟していない事業者に対しての強力な指導が求められる。


また、


時間・キロ併用制運賃という新たな運賃・料金制度が確立されたが、


特に、

変更命令審査の対象となる「安全コスト審査対象運賃」については厳正なる審査が必要である。




さらに、


貸切バスの契約に当っては書面取引が義務付けされたが、

これまでの契約のように旅行業者からの一方的な強要があっては何の意味もなさない。


ハナから改善基準告示の範囲内におけるギリギリの行程を組み、


あるいは高速道路走行を100kmで計算された行程では、


突発的なアクシデントに見舞われた場合、


指針を超えてしまうケースが生じる




いずれにしても今後は、


「フォローアップ」的な検討会が設置され、


進捗状況をみながら検討していくことになる





最後に、



座長を努めた加藤先生、


いろんな意味で大変お疲れ様でした






残りは、


3月26日の高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会、

同月29日のバス事業のあり方検討会、


いよいよ大詰めだ









貸し切りバス:安全経費を運賃算入 国交省が制度見直し/毎日新聞



 昨年4月の高速ツアーバス事故で問題になった貸し切りバスの低運賃運行について、国土交通省は人件費や車両整備費が削られ安全性を脅かしているとして、運賃制度を見直す方針を固めた。国が示す基準運賃に長距離運行の交代運転手の人件費や、安全教育の研修費など安全運行にかかわる経費を算入する。来年度中に算定し、適用する考え。19日午後に有識者も参加する作業部会に報告する。
 現在の制度では、国は平均的な人件費や燃料費などから基準の運賃を算出。貸し切りバス事業者は原則、基準運賃の上限15%、下限25%の間で自社の正規運賃を決め、国に届け出る。基準運賃に安全運行にかかわる経費の項目は入っていない。
 貸し切りバス業界は00年の参入規制の緩和で価格競争が激化。国交省が10年に実施したアンケートでは、回答した2206業者の7割が正規運賃を発注元の旅行会社などから受け取れていなかった。ツアーバス事故でも、事故を起こしたバス会社は正規運賃の22万円を大幅に下回る15万円で運行していた。
 新制度では、ツアーバス事故を受け過労運転防止のため交代運転手の配置が義務付けられたことから、この経費を基準運賃に上乗せする。飲酒運転の点検機器や車両定期点検の整備費、休憩施設の管理費なども加える。
 さらに、低運賃運行を防ぐため、正規運賃の幅を基準運賃の上限30%、下限10%に変更。正規運賃を下回る運賃で旅行会社などと契約を結んでいないか定期監査などで厳しくチェックし、旅行会社が悪質な値引きを強要している場合は観光庁に通報して旅行会社も指導する。
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幾度となく重大事故が繰り返される。その都度、安全規制が強化されるが問題は、守れない事業者にいかに守らせ、守れなければ排除すること。誤った規制緩和を是正し、利用しやすい公共交通の確立をめざし、行政に対して政策を訴え続けます。掲げた政策の実現のため日々、努力あるのみです。


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