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交通労連 軌道バス部会

全国のバス・鉄道に係る情報です
2017/07/27

NO.1256 第26回全国バス事業労使懇談会

交通労連軌道バス部会は7月26~28の日程で、第26回目となる労使懇談会を新潟市の「万代シルバーホテル」で開いた。


 企業側22社、労働側21労組、約80人が参加した懇談会は、小熊副部会長の開会あいさつで始まり、次いで、使用者側を代表して、地元の新潟交通㈱の星野佳人代表取締役社長があいさつ。



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 「今年で26回目という労使懇談会が、新潟の地で開催されることに感謝を申し上げたい」と述べたあと、「われわれバス事業を取り巻く状況は、とりわけ乗合バスは輸送人員の減少に歯止めがかかり、緩やかに上昇していることはいいことであるが、今度はそれを維持するための人材、運転者不足の問題がある。これはバス業界だけではないが、これから日本の生産性労働人口が減少する。こうしたなかでいかに持続可能な事業にするか、雇用をいかに確保するかが喫緊の課題である。昨今においてはこうした問題を解消するため自動運転などの実証運行が進められているが、やはり安心・安全が第一である。本日の懇談会のなかで、こうした課題解決に向けて有意義なものとなるよう皆さん活発な意見交換をお願いしたい」と述べた。



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 これを受けて、労働側を代表して清水部会長は、「いまほど星野社長からあったように業界の人材不足は大きな課題である。自動運転もさることながら、バスは運転者なしで運行するのはいささか問題である。労働者に目を向ければ現在は『働き方改革』のなかで、われわれ自動車運転業務も施行5年後には960時間、さらにはその先に720時間に向かうことになるが、現状われわれの業界がこれが適合できるかどうか、向かうべき方向性は理解できるものの、人材不足の課題をクリアしない限り難しい課題だ。一方、貸切バスにおいては軽井沢スキーバス事故を受けて現在、85項目の安全施策が施行された。これは労使でしっかりと守っていかなければならない。いずれにしても、いろいろ課題はあるが、本労使懇談会の議題に掲げているテーマも含めて、労使で共に取り組むべき課題を見出したい」と挨拶した。


 続いて、日本バス協会の船戸常務理事があいさつ。「貸切バスの新運賃料金制度もようやく定着してきており、このことは経営の事業健全化に向かうと思われる。先ほどから人材不足の課題が出ているが、われわれ業界だけに限らないが本当に大きな労使共通の問題だ。これ以外にも様々な課題があるが、われわれの使命である『安全・安心』をしっかりと確保しながら業界の発展に向けてバス協会としても、今後とも協力して取り組んでいきたい」と述べた。
 次いで、労連本部の縄野書記長が「先ほどお話があったが自動運転、いわゆるAIがかなり普及している。人材不足解消になるか否かは別として、果たしてそれで安全を確保できるのかどうか。また、これが導入されればバス業界に影響は避けられない。ご参加の各企業においては日々、安全輸送の確立に向けて取り組まれていると思うが、本懇談会のテーマである『魅力あるバス事業』をめざし、人材不足の問題や安全確保のための対策など、全体で活発な論議をしていただき、有意義な懇談会にしていただきたい」とあいさつ。



 引き続き、「バス事業を取り巻く課題と展望」をテーマに、労連の政策顧問である首都大学東京の戸崎教授から講演を受けた。
 講演で戸崎顧問は、「近年においては国の政策やオリンピックの影響などもあり、インバウンドが急増している。特に大型クルーズ船の来航数も増加傾向にあり、言語やサービスのあり方、また、バス車両不足の課題もあり、これらへの対応が急務だ。一方で、この業界においては規制緩和政策の後遺症もあり、事故の度に安全規制が強化されているが、車両等の整備はいいが、深刻化する運転者不足、加えて高齢化の問題もあり運転者の健康管理体制、また、旅行業者とバス会社なの関係性など取り組むべき課題は山積している。このような状況の中、タクシーを発端とするシェアリング・エコノミーの問題は、バスにも深刻な影響を及ぼす課題であり、また、運転者不足の問題から自動運転の実証実験等が進んでいるが、人間にしかできない付加価値、いわいるサービスの提供や、自動化が進むことにより『人材が余る』課題も長期的に考えなければならない」と述べた後、「今後、取り組むべき課題は人材不足の問題をどう解決していくのか、適正な競争条件の担保及び社会的監査体制の確立と強化による安全性の確保、医療・福祉政策と連動した交通政策基本法の見直し、そして政治にも積極的に関与して議員も活用しながら取り組まなければならない」と今後取り組み課題について提言した。



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 続いて、労連本部の手水政策部長から本年6月に確認した労連の政策要求共通事項について説明。「国土交通省、厚生労働省、警察庁など関係省庁に対して既に30年以上、政策申し入れ行動を行っている。当然のことながら要求したから直ぐに改善というのは中々ないが、課題解決に向けて継続して取り組み、業界全体を発展させていくため取り組んでいきたい」として述べた。



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休憩を挟んだあと、鎌田事務局長は、この1年間の部会の取り組みと、2018年度の部会の政策要求について説明。
 「軽井沢スキーバス事故を受けて検討会が設置され、この六月にとりまとめが行われ、85項目にわたる安全対策が講じられた。これまでもそうであるが問題は、『それを確実に実施させ、そして守らせる』ことが最重要課題である。これに付随して、悪質な旅行業者を排除するための『通報→即監査→即処分』できる実効性のある勧告制度の早期導入や、インバウンドにおける『管轄運輸局届出運賃か出先の運賃』との選択制ではない『入札場所管轄運輸局』とするなど新たな対策が必要だ」と述べたあと、「貸切バスの課題は進んでいるが一方で、『古くて新しい』課題も散見している。いわゆる『いいとこどり』クリームスキミング的な都市部における参入が相次いでいる。そもそも参入申請時に利害関係のある複数事業者間の現状などを調査・考慮して決めるものであり、さらに支局の担当者が参加しているにも係わらず、地域公共交通会議等で決められれば『何でもあり』というのもあまりにも軽薄だ。これでは地方の足は守れない。いずれにしても、業界を発展させていくために、労使とそして行政と、力を合わせて取り組んでいかないと課題は解決しない」と訴えた。



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 次いで、国土交通省自動車局の金指和彦課長は、貨客混載の取り組みやバス路線の再編、道の駅を利用した自動運転サービスなどの取り組み概要の説明や、訪日外国人増加による高速バスの需要、また、政府主導で行っている「働き方改革」の進捗状況や運輸支局の取り組みなどについて触れた後、「軽井沢スキーバス事故を受けて検討会でとりまとめた安全施策がようやく全て実施された。こうした中で断続的に監査を行っているが直近でも重い処分を下さざるを得ない事業者が未だ後を絶たない。今後とも手を緩ませることなく、各種施策の周知徹底と、守れない事業者については排除していきたい」と述べた。


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 引き続き、日本バス協会の船戸常務理事は、バス事業の現状についてふれたあと、①乗合バス路線の維持、再編と輸送サービスの改善向上②軽井沢事故を受けての安全対策の推進と貸切バスの健全な経営基盤の確立③高速バスネットワークの充実④訪日外国人旅行者増大への対応と東京オリンピック・パラリンピックの準備⑤政府において検討が進められている各種改革への対応等について⑥交通事故の減少と安全対策の推進⑦環境対策の推進⑧バスに係る技術面の向上⑨バス運転者不足問題及び労務問題への対応⑩バス事業に対する予算、税制措置の充実⑪運輸事業振興助成交付金事業(中央事業)によるバス事業者支援の充実―など、協会として現在、取り組んでいる重点課題について説明した。


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 これらの報告・講演を受けて、全体で意見交換を行った。そのなかで、参加された企業側からは事前に挙げたテーマに沿っていただいた資料(若年層及び女性運転者の採用状況と対策/貸切バスの新運賃・料金制度収受状況と課題(近隣における疑わしき事業者)をもとに、意見交換を行った。


「乗務員自社養成制度の導入、求人情報サイトの活用、任期制自衛隊員合同企業説明会への参加、女性向けの施設整備、特定ダイヤの設定、制服のデザイン変更/手数料率の取扱い、回送運賃の問題、運送引受書への運賃記載方法(北海道中央バス)、

 女性を中心とした説明会の実施、女性専用ダイヤ検討/低額料金での受注が見受けられる、遠足の減少(弘南バス)、運転体験会の実施、運転者の高齢化/ガイド料だけの料金収受が難しい、料金の低額化(山交バス)、社員寮新築で通勤圏外の求職者にも探用の枠を拡げる(仙台バス)、免許取得費用を全額負担、高卒採用、運転体験の企画/回送料金の問題で失注、長距離の仕事は減少、短長距離の仕事が増加(会津乗合自動車)、

 原発事故処理や汚染対策に掛かる特需が起こり求人チラシや運転者説明会の開催などを行っても運転者の雇用が厳しい/回送料金も課題(新常磐交通)、「運転研修センター」設立、女性向け会社説明会の開催、大型二種免許取得立替補助制度の補助金額引き上げ、自動車学校との連携強化、自衛隊援護協会との連携/学校貸切等の受注数減少や長距離貸切の減少、制度の拡大解釈案件(新潟交通)、社内免許取得補助制度のPR/ガイド料金の低額化、冬期の運賃の弾力化(頚城自動車)、ハローワークやホームページへ掲載、乗務員紹介制度を導入/旅行会社から低額の要請、回送時間の取り扱い(東洋バス)、


 ホームページ、社員紹介、高速バス車両へのステッカー貼付/運賃アップによる稼働率低下、旅行会社への斡旋手数料(阪急観光バス)、大学新卒者のキャリアアップ制度、説明会や職場見学会の開催、運転体験企画/旅行会社への手数料の増額、下限で出しても相見積りで勝てない/乗合バス事業にも新たな運賃制度の導入を(両備ホールディングス)、


 高校新卒の運転者要請制度/インバウンドにおける管轄運輸局の単価の問題、運転者の引抜き、下限運賃でも受注できない(サンデン交通)、嘱託雇用の正社員化(広島交通)、運転士養成制度、紹介制度、支度金制度、契約社員の社員登用期間の短縮/繁忙期と閑散期の需要変動が大きい地域でのオフ運賃設定による需要の喚起、安全性評価認定制度の活用法(行政発注の入札等に対する優遇制度等)、旅行業者への監査強化(一畑バス)、


 自衛隊任期満了除隊者の採用する活動の検討、高校新卒の運転士養成、大型二種免許取得費用の全額負担/クルーズ専門の新規貸切事業者の進出で受注は皆無、貸切バス事業者安全性認定評価制度を受けていない事業者が認定マークをつけたような状態で運行(九州産交バス)、ハローワーク、求人誌、バス車内・外への広告、バス停への広告、新聞広告、運転士養成制度、従業員による紹介での入社に関する紹介料支給制度、支度金支給制度(熊本都市バス)、


 高校新卒の運転士募集、嘱託運転士養成員制度ならびに嘱託運転士特別養成員制度実施、県バス協会「新規大型自動車第二種免許取得者雇用助成制度」の活用、「長崎県地域創生人材育成事業」制度の活用/旅行業者からの低価格の要求、顧客による下限運賃の要求、臨時営業区域拡大の認可が安易に認められることが恒常化。その場合の遠隔地からの回送料金が転嫁されているのか疑問(西肥自動車)、大型二種免許取得支援制度の実施、高校新卒者の採用/インバウンド(クルーズ船)


 料金が崩れている(祐徳自動車)、大型二種免許取得支援制度の拡充、祝金制度、紹介制度の導入/旅行業者やラウンドオペレーターが介する団体による新制度の趣旨に反する手数料アップやキックバックの要請(昭和自動車)」などが出された。



 これらの意見対して、戸崎顧問、船戸常務理事や金指課長が応えながら、全体で意見交換を行い、盛会裏に終了した。
 

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 なお、懇談会の前日、新潟交通㈱の西部営業所を訪れ、実際にBRTの試乗、また会社側からの説明会などを行なわれ、有意義な懇談会となった。
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