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交通労連 軌道バス部会

全国のバス・鉄道に係る情報です
2017/08/08

NO.1260 人材不足の解消へ~時間外上限規制への対応を

部会の第26回目となる労使懇談会を新潟で開いたが(NO.1256参照)、労使ともに解決すべき課題、向うべき方向性は同じが故に今後も協力しつつ、解決せねば将来の展望は切り開けない。



 政策顧問の戸崎教授、バス協会の船戸常務理事からも同様の課題が提起されたが主な論点は、
①運転者不足②自動運転③時間外労働の上限規制――で、
自動運転については人材不足解消になるか否かは別として、果たしてそれで本当に「安全を確保」できるのかどうか、また、これが導入されればバス業界は将来的に「人材が余る」ことも考慮しなければならない。
 こうしたことから、人間にしかできない「付加価値」、いわゆるサービスをいかに利用者に提供できるかが課題となる。




 また、これに付随して運転者不足問題については、「乗務員自社養成制度の導入、求人情報サイトの活用、任期制自衛隊員合同企業説明会への参加、女性向けの施設整備、特定ダイヤの設定、運転体験会の実施、社員寮新築、免許取得費用を全額負担、高卒採用、自動車学校との連携強化、乗務員紹介制度を導入、嘱託雇用の正社員化、支度金制度」など各企業から様々取り組み事例が報告された。
 成果のあったものやまだ芽が出ていないものなど報告があったが、各企業それぞれいろいろな他社の取り組みを参考に継続して取り組んでいかなければならない。



 上限規制については向うべき方向性は善しとしても、果たしていまの業界の状況で960時間、あるいはその先の720時間に適合できるのか。少なくとも運転者不足の問題が解消しない限り直ぐには対応は難しい。施行までの期間及び施行五年後の間に、状況を鑑みながら段階的な対応が望ましいとした。


 いずれにしても懇談会は成功裏に終了できた。今回受け持っていただいた新潟交通労使の方々に、御礼を申し上げたい。
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2017/07/27

NO.1256 第26回全国バス事業労使懇談会

交通労連軌道バス部会は7月26~28の日程で、第26回目となる労使懇談会を新潟市の「万代シルバーホテル」で開いた。


 企業側22社、労働側21労組、約80人が参加した懇談会は、小熊副部会長の開会あいさつで始まり、次いで、使用者側を代表して、地元の新潟交通㈱の星野佳人代表取締役社長があいさつ。



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 「今年で26回目という労使懇談会が、新潟の地で開催されることに感謝を申し上げたい」と述べたあと、「われわれバス事業を取り巻く状況は、とりわけ乗合バスは輸送人員の減少に歯止めがかかり、緩やかに上昇していることはいいことであるが、今度はそれを維持するための人材、運転者不足の問題がある。これはバス業界だけではないが、これから日本の生産性労働人口が減少する。こうしたなかでいかに持続可能な事業にするか、雇用をいかに確保するかが喫緊の課題である。昨今においてはこうした問題を解消するため自動運転などの実証運行が進められているが、やはり安心・安全が第一である。本日の懇談会のなかで、こうした課題解決に向けて有意義なものとなるよう皆さん活発な意見交換をお願いしたい」と述べた。



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 これを受けて、労働側を代表して清水部会長は、「いまほど星野社長からあったように業界の人材不足は大きな課題である。自動運転もさることながら、バスは運転者なしで運行するのはいささか問題である。労働者に目を向ければ現在は『働き方改革』のなかで、われわれ自動車運転業務も施行5年後には960時間、さらにはその先に720時間に向かうことになるが、現状われわれの業界がこれが適合できるかどうか、向かうべき方向性は理解できるものの、人材不足の課題をクリアしない限り難しい課題だ。一方、貸切バスにおいては軽井沢スキーバス事故を受けて現在、85項目の安全施策が施行された。これは労使でしっかりと守っていかなければならない。いずれにしても、いろいろ課題はあるが、本労使懇談会の議題に掲げているテーマも含めて、労使で共に取り組むべき課題を見出したい」と挨拶した。


 続いて、日本バス協会の船戸常務理事があいさつ。「貸切バスの新運賃料金制度もようやく定着してきており、このことは経営の事業健全化に向かうと思われる。先ほどから人材不足の課題が出ているが、われわれ業界だけに限らないが本当に大きな労使共通の問題だ。これ以外にも様々な課題があるが、われわれの使命である『安全・安心』をしっかりと確保しながら業界の発展に向けてバス協会としても、今後とも協力して取り組んでいきたい」と述べた。
 次いで、労連本部の縄野書記長が「先ほどお話があったが自動運転、いわゆるAIがかなり普及している。人材不足解消になるか否かは別として、果たしてそれで安全を確保できるのかどうか。また、これが導入されればバス業界に影響は避けられない。ご参加の各企業においては日々、安全輸送の確立に向けて取り組まれていると思うが、本懇談会のテーマである『魅力あるバス事業』をめざし、人材不足の問題や安全確保のための対策など、全体で活発な論議をしていただき、有意義な懇談会にしていただきたい」とあいさつ。



 引き続き、「バス事業を取り巻く課題と展望」をテーマに、労連の政策顧問である首都大学東京の戸崎教授から講演を受けた。
 講演で戸崎顧問は、「近年においては国の政策やオリンピックの影響などもあり、インバウンドが急増している。特に大型クルーズ船の来航数も増加傾向にあり、言語やサービスのあり方、また、バス車両不足の課題もあり、これらへの対応が急務だ。一方で、この業界においては規制緩和政策の後遺症もあり、事故の度に安全規制が強化されているが、車両等の整備はいいが、深刻化する運転者不足、加えて高齢化の問題もあり運転者の健康管理体制、また、旅行業者とバス会社なの関係性など取り組むべき課題は山積している。このような状況の中、タクシーを発端とするシェアリング・エコノミーの問題は、バスにも深刻な影響を及ぼす課題であり、また、運転者不足の問題から自動運転の実証実験等が進んでいるが、人間にしかできない付加価値、いわいるサービスの提供や、自動化が進むことにより『人材が余る』課題も長期的に考えなければならない」と述べた後、「今後、取り組むべき課題は人材不足の問題をどう解決していくのか、適正な競争条件の担保及び社会的監査体制の確立と強化による安全性の確保、医療・福祉政策と連動した交通政策基本法の見直し、そして政治にも積極的に関与して議員も活用しながら取り組まなければならない」と今後取り組み課題について提言した。



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 続いて、労連本部の手水政策部長から本年6月に確認した労連の政策要求共通事項について説明。「国土交通省、厚生労働省、警察庁など関係省庁に対して既に30年以上、政策申し入れ行動を行っている。当然のことながら要求したから直ぐに改善というのは中々ないが、課題解決に向けて継続して取り組み、業界全体を発展させていくため取り組んでいきたい」として述べた。



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休憩を挟んだあと、鎌田事務局長は、この1年間の部会の取り組みと、2018年度の部会の政策要求について説明。
 「軽井沢スキーバス事故を受けて検討会が設置され、この六月にとりまとめが行われ、85項目にわたる安全対策が講じられた。これまでもそうであるが問題は、『それを確実に実施させ、そして守らせる』ことが最重要課題である。これに付随して、悪質な旅行業者を排除するための『通報→即監査→即処分』できる実効性のある勧告制度の早期導入や、インバウンドにおける『管轄運輸局届出運賃か出先の運賃』との選択制ではない『入札場所管轄運輸局』とするなど新たな対策が必要だ」と述べたあと、「貸切バスの課題は進んでいるが一方で、『古くて新しい』課題も散見している。いわゆる『いいとこどり』クリームスキミング的な都市部における参入が相次いでいる。そもそも参入申請時に利害関係のある複数事業者間の現状などを調査・考慮して決めるものであり、さらに支局の担当者が参加しているにも係わらず、地域公共交通会議等で決められれば『何でもあり』というのもあまりにも軽薄だ。これでは地方の足は守れない。いずれにしても、業界を発展させていくために、労使とそして行政と、力を合わせて取り組んでいかないと課題は解決しない」と訴えた。



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 次いで、国土交通省自動車局の金指和彦課長は、貨客混載の取り組みやバス路線の再編、道の駅を利用した自動運転サービスなどの取り組み概要の説明や、訪日外国人増加による高速バスの需要、また、政府主導で行っている「働き方改革」の進捗状況や運輸支局の取り組みなどについて触れた後、「軽井沢スキーバス事故を受けて検討会でとりまとめた安全施策がようやく全て実施された。こうした中で断続的に監査を行っているが直近でも重い処分を下さざるを得ない事業者が未だ後を絶たない。今後とも手を緩ませることなく、各種施策の周知徹底と、守れない事業者については排除していきたい」と述べた。


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 引き続き、日本バス協会の船戸常務理事は、バス事業の現状についてふれたあと、①乗合バス路線の維持、再編と輸送サービスの改善向上②軽井沢事故を受けての安全対策の推進と貸切バスの健全な経営基盤の確立③高速バスネットワークの充実④訪日外国人旅行者増大への対応と東京オリンピック・パラリンピックの準備⑤政府において検討が進められている各種改革への対応等について⑥交通事故の減少と安全対策の推進⑦環境対策の推進⑧バスに係る技術面の向上⑨バス運転者不足問題及び労務問題への対応⑩バス事業に対する予算、税制措置の充実⑪運輸事業振興助成交付金事業(中央事業)によるバス事業者支援の充実―など、協会として現在、取り組んでいる重点課題について説明した。


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 これらの報告・講演を受けて、全体で意見交換を行った。そのなかで、参加された企業側からは事前に挙げたテーマに沿っていただいた資料(若年層及び女性運転者の採用状況と対策/貸切バスの新運賃・料金制度収受状況と課題(近隣における疑わしき事業者)をもとに、意見交換を行った。


「乗務員自社養成制度の導入、求人情報サイトの活用、任期制自衛隊員合同企業説明会への参加、女性向けの施設整備、特定ダイヤの設定、制服のデザイン変更/手数料率の取扱い、回送運賃の問題、運送引受書への運賃記載方法(北海道中央バス)、

 女性を中心とした説明会の実施、女性専用ダイヤ検討/低額料金での受注が見受けられる、遠足の減少(弘南バス)、運転体験会の実施、運転者の高齢化/ガイド料だけの料金収受が難しい、料金の低額化(山交バス)、社員寮新築で通勤圏外の求職者にも探用の枠を拡げる(仙台バス)、免許取得費用を全額負担、高卒採用、運転体験の企画/回送料金の問題で失注、長距離の仕事は減少、短長距離の仕事が増加(会津乗合自動車)、

 原発事故処理や汚染対策に掛かる特需が起こり求人チラシや運転者説明会の開催などを行っても運転者の雇用が厳しい/回送料金も課題(新常磐交通)、「運転研修センター」設立、女性向け会社説明会の開催、大型二種免許取得立替補助制度の補助金額引き上げ、自動車学校との連携強化、自衛隊援護協会との連携/学校貸切等の受注数減少や長距離貸切の減少、制度の拡大解釈案件(新潟交通)、社内免許取得補助制度のPR/ガイド料金の低額化、冬期の運賃の弾力化(頚城自動車)、ハローワークやホームページへ掲載、乗務員紹介制度を導入/旅行会社から低額の要請、回送時間の取り扱い(東洋バス)、


 ホームページ、社員紹介、高速バス車両へのステッカー貼付/運賃アップによる稼働率低下、旅行会社への斡旋手数料(阪急観光バス)、大学新卒者のキャリアアップ制度、説明会や職場見学会の開催、運転体験企画/旅行会社への手数料の増額、下限で出しても相見積りで勝てない/乗合バス事業にも新たな運賃制度の導入を(両備ホールディングス)、


 高校新卒の運転者要請制度/インバウンドにおける管轄運輸局の単価の問題、運転者の引抜き、下限運賃でも受注できない(サンデン交通)、嘱託雇用の正社員化(広島交通)、運転士養成制度、紹介制度、支度金制度、契約社員の社員登用期間の短縮/繁忙期と閑散期の需要変動が大きい地域でのオフ運賃設定による需要の喚起、安全性評価認定制度の活用法(行政発注の入札等に対する優遇制度等)、旅行業者への監査強化(一畑バス)、


 自衛隊任期満了除隊者の採用する活動の検討、高校新卒の運転士養成、大型二種免許取得費用の全額負担/クルーズ専門の新規貸切事業者の進出で受注は皆無、貸切バス事業者安全性認定評価制度を受けていない事業者が認定マークをつけたような状態で運行(九州産交バス)、ハローワーク、求人誌、バス車内・外への広告、バス停への広告、新聞広告、運転士養成制度、従業員による紹介での入社に関する紹介料支給制度、支度金支給制度(熊本都市バス)、


 高校新卒の運転士募集、嘱託運転士養成員制度ならびに嘱託運転士特別養成員制度実施、県バス協会「新規大型自動車第二種免許取得者雇用助成制度」の活用、「長崎県地域創生人材育成事業」制度の活用/旅行業者からの低価格の要求、顧客による下限運賃の要求、臨時営業区域拡大の認可が安易に認められることが恒常化。その場合の遠隔地からの回送料金が転嫁されているのか疑問(西肥自動車)、大型二種免許取得支援制度の実施、高校新卒者の採用/インバウンド(クルーズ船)


 料金が崩れている(祐徳自動車)、大型二種免許取得支援制度の拡充、祝金制度、紹介制度の導入/旅行業者やラウンドオペレーターが介する団体による新制度の趣旨に反する手数料アップやキックバックの要請(昭和自動車)」などが出された。



 これらの意見対して、戸崎顧問、船戸常務理事や金指課長が応えながら、全体で意見交換を行い、盛会裏に終了した。
 

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 なお、懇談会の前日、新潟交通㈱の西部営業所を訪れ、実際にBRTの試乗、また会社側からの説明会などを行なわれ、有意義な懇談会となった。
2017/06/19

NO.1247 慎重な論議必要~努力が報われる制度確立を

国土交通省は先月三十一日、路線バスに対する補助金の上限引き下げを当面見送ることを明らかにした。


 国交省は、バス事業者に収支改善を求め補助金の申請時には具体的な数値目標を示すよう文書で通知、引き下げを検討していた。業界団体や自治体からの反発が強かったことを理由としているが、収支改善の成果がみられない場合は、「今後も必要に応じて検討する」としている。


 この補助金の問題については今年三月、国交省から本年十月から来年九月末までを対象期間とする二〇一八年度分から、補助金の上限を四〇%に引き下げる案を事業者や自治体に説明していた。補助金の対象は、複数の市町村にまたがり運行している基幹的なバス路線で、現行では運行費用の四五%を上限に、国交省と自治体が二分の一ずつ支援しているもの。しかし、自治体などは「住民生活に深刻な影響が出ることが懸念される」など反発が多く先月末、日本バス協会の会合で、「一八年度は補助金の五%減額を見送る。当面は現状を維持する」との方針を示した。




 行政の考え方としては悪くない。減額した五%についてはいわゆる「インセンティブ」で、路線の維持・改善に努めた事業者に補助金を上乗せして交付するものだ。
 
 実際、補助金がほしいが故に敢えて「複数の市町村にまたがり」路線を編成するケースもなくはなく、違う意味で「自助努力」していない場合もあることからインセンティブ制度は頷ける。一方で、「地方の足の確保」のため採算が合わなくても努力している事業者も多いことから、「努力している事業者が報われる制度」が求められる。加えて、特に過疎地における輸送人員は極めて減少しており、「収支改善」となるとこれもまた課題だ。



 なお、地方バス路線維持費国庫補助金は約九十億円、地域公共交通確保維持改善事業として三百億円以上の予算が組まれている。

2016/07/11

NO.1143 『バスの無人化運行』~本当に事故防止となるか?

  かつては未来の乗物と思われていた「自動運転車」の普及が近付いている。政府と自動車メーカーは、東京五輪が開かれる平成三十二年の実用化を表明。今年は日産が一定の条件で、自動運転可能な新型車を投入する計画だ。


 自動運転のメリットは事故防止。事故原因の多くは不注意や居眠りなどの人的ミス。こうしたミスを減らし、長時間運転するトラックや高速バスの運転者の負担を軽減する。また、高齢運転者の事故防止も期待できる、としてるが…。


 ZMPとDeNAは、無人タクシーの運行を目指しており、内閣府は神奈川県などを国家戦略特区に指定し、同様の実証実験を行う。トヨタは十億ドルを投じ新会社を米国に設立し、技術開発に乗り出した。また、ソフトバンクが今秋、NTTドコモは平成三十年を目途に自動運転技術の実証実験に乗り出す。


 ソフトバンクは既に北九州市などと連携協定を締結しており、無人バスで決まったコースを巡回できるようにするとしている。
 近年、会議等で「今後は無人で走るバスができるかもしれない」と述べてはきたが、近い将来本当になるかも?と喜んでいいのか、複雑な心境である。


 確かに地方バスは、赤字路線が多く、とりわけ過疎地においては維持が難しいのが現状である。無人化で収支改善を実現し、「新たな足」として期待が持てなくもないが、やはり安全面が一番危惧される。


 このような状況のなか先日、米国のテスラモーターズで、自動運転走行中に死亡事故を起こした。実証実験の総走行距離は二億千万キロを超えていたが、これでも「完璧」にはいかなかった。


 自家用車でも公共交通でも全て、「人命」にかかわること。いずれは実用化されるだろうが、公共交通であるバスは一度に多くの「人命」を預かる業種だけに、「無人運転」はそぐわないのではないか。


2016/07/07

NO.1142 軌道バス部会第25回全国バス事業労使懇談会

 交通労連軌道バス部会は七月六~八日の日程で、第二十五回目となる労使懇談会を島根県松江市の「ホテル一畑」で開いた。


 企業側二十二社、労働側二十労組、約八十人が参加した懇談会は、高橋副部会長の開会あいさつで始まり、次いで、使用者側を代表して、地元の一畑バス㈱の茢田満夫代表取締役社長があいさつ。














 「今年で二十五回目という歴史ある労使懇談会が、松江の地で開催されることに感謝を申し上げたい」と述べたあと、「われわれバス事業を取り巻く環境は燃料価格の問題など様々な課題があるが、やはり安心・安全が第一である。こうした問題には必然的にコストがかかるものであり、現状の状況ではなかなか対応しきれない。また、運転者不足の問題もあり、課題は山積している。さらに、地域公共交通活性化再生法も改正され、今後はいかに地域の足をどのように守っていくのか、また、補助金制度があるものの依然として赤字体質の状況をどう変えていくのか、バス産業の再生に向けて、労使がともに力を合わせ、知恵を出し合い、本日の懇談会が有意義なものとなるよう皆さん活発な意見交換をお願いしたい」と述べた。








 これを受けて、労働側を代表して清水部会長は、「乗合バスは輸送人員減少に歯止めがかかり、とりわけ、貸切バスについては新運賃料金制度の効果もあり、実働日車当たりの営収も七万円台まで改善している。ただ、これで全てが解決したわけではなく、乗合バスにおいては『ライドシェア』の問題もあり、貸切バスについては一月に発生した軽井沢スキーバス事故を受けて検討会が設置され、とりまとめが行われたが、課題は山積している。やはりルールを守れない事業者には業界から徹底していただく、これは当然のこと。今回の対策の中にも運行管理体制の強化や罰則の強化が盛り込まれているが、悪質事業者を排除するための規制強化ならわれわれも理解できる。そのかわりに、まっとうに事業を行っている事業者に対しては、何らかのインセンティブを与えてもいいのではないかと思っている。その他でも、運転者不足問題などいろいろ課題はあるが、こうしたことから、本労使懇談会の議題に掲げている①運転者不足対策②貸切バスの運賃制度導入後の現状と課題―について全体で意見交換を行い、メインテーマに掲げている『魅力あるバス産業』となるよう、労使で共に取り組むべき課題を見出したい」と挨拶した。




 続いて、日本バス協会の船戸常務理事があいさつ。
 「またしてもバスに関わる事故が起きてしまった。事故が起きるたびに安全規制が強化されるが、どんな規制がしかれても守らない事業者が存在する。こうした事業者を排除しなければ業界の発展はない。これ以外にも様々な課題があるが、この労使懇談会で共に話し合い、諸課題解決に向けてバス協会としても、今後とも協力して取り組んでいきたい」と述べた。
 次いで、労連本部の縄野書記長が「先ほどお話があったが、ライドシェアの問題は、交通労連としても反対の立場で取り組んでいる。安全が本当に守られるのか、また、これが導入されればバス業界に影響は避けられない。ご参加の各企業においては日々、安全輸送の確立に向けて取り組まれていると思うが、人材不足の問題や安全確保のための対策など、全体で活発な論議をしていただき、有意義な懇談会にしていただきたい」と述べた。







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 引き続き、懇談会のテーマに沿って、労連の政策顧問である大妻女子大学の戸崎教授から講演を受けた。
 講演で戸崎顧問は、「バス産業を活性化させていくためには様々な対策があるが、人口減少や高齢化の進展の中でいかに移動手段を確保するのかが重要な問題だ。インバウンドの急増に伴うバス不足の対策や、軽井沢事故で明らかになったように運転者不足や健康管理体制の不備などの課題もあるが、シェアリングエコノミーは大きな問題だ。何も新しい考え方ではなく、今あるものを有効活用するという考え方は合理的だが、安全を担保しなければならない輸送サービスにおいて果たしてマッチングするのか。まして、これが導入されれば、バス事業も大きな影響を受けることは間違いなく、さらには自動運転の話題が普及しているように、乗客の安全性は担保できるのか、慎重な論議が必要だ」と述べた後、「今回のテーマにもあるように、運転者不足の問題は深刻。女性労働者も含めて、若い世代にとって魅力的な仕事にしていかないといけない。今後、バスが生き残っていくためには、女性の活用による業界のイメージの向上、地域に密着したサービスの提供をしていくため、交通基本政策の実質化も含めて的確な情報集約、そして政治にも積極的に関与して議員も活用しながら取り組まなければならない」と述べた。







 休憩を挟んだあと、鎌田事務局長は、この一年間の部会の取り組みと、二〇一七年度の部会の政策要求について説明。
 「軽井沢スキーバス事故を受けて検討会が設置され、この六月にとりまとめが行われ、安全対策を中心に様々な施策が講じられるが、そもそも事故が起きて検討会が設置されるのではなく、事故を防ぐために先に論議するのが常識。決まった施策については順次導入されるが、業界を正常化するためにも、タクシー関連三法にあるように一旦、参入を停止し、清浄化すべきではないか。台数規制の見直しは運行管理体制の強化や安全投資計画で補うことになったが、将来的には台数で縛られなければ最低従業員数を付記すべきである。併せて最低車両台数割れ問題にも着手してもらいたい。いずれにしても、業界を発展させていくために、労使とそして行政と、力を合わせて取り組んでいかないと課題は解決しない」と述べた。








 次いで、国土交通省自動車局の黒岩課長補佐は、関越道でのバス事故を受けてこれまで導入された施策についてふれたあと、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会のとりまとめ「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」について説明。
 


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 「施策については今すぐ着手する施策、今後具体化を図るべきもの、引き続き検討を進めていく案件など大きく三つに分けて施策を講じていくが、今月一日からは、事業許可取消処分の対象範囲の拡大と、運行管理者資格者証返納命令の対象範囲の拡大など、基準の一部を改正した。今後も段階的に導入していくが、貸切バス事業者に対する事前及び事後の安全性のチェックの強化として、事業許可の再取得要件の厳格化や更新制の導入、「安全投資計画」の策定、また、運行管理の厳格化では、選任数の引き上げなど、安全確保を最優先に進めていきたい」と述べた。




 これに対し、「民間指定期間による適正化事業の活用とあるが、バス協会がやることになると思うが、協会非加盟の事業者に監査ができるのか?そもそも二~三人程度しか地方の協会は人員がいない。どのように対応するのか?」「パソコンを義務付けるとあるが、そもそもパソコンない事業者に事業許可を出していること自体に問題があるのでは?今までなくても事業しているのに、義務付けても情報すらみないのではないか」との質問が出され、これに対し黒岩課長補佐は、「指定期間については、第三者機関を考えているので、バス協会が直接するものではない。また、パソコンの義務化についてはメールマガジン等を発信し、既読確認を行って周知徹底していきたい。いずれにしても、様々な課題が山積しているが、今後とも企業側、また労働組合側から現場の声を聞かせていただき、われわれの行政施策に反映させていきたい」と述べた。


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 引き続き、日本バス協会の船戸常務理事は、バス事業の現状についてふれたあと、①乗合バス路線の維持、再編と輸送サービスの改善向上②貸切バスの健全な経営基盤の確立と軽井沢事故を受けての安全対策の充実強化③高速バスネットワークの充実④訪日外国人旅行者増大への対応⑤交通事故の減少と安全対策の推進⑥環対策の推進⑦バスに係る技術面の向上⑧バス運転者不足問題への取り組み及び労務問題への対応⑨バス事業に対する予算、税制措置の充実⑩運輸事業振興助成交付金事業によるバス事業支援の充実―など、協会として現在、取り組んでいる重点課題について説明した。




 これらの報告・講演を受けて、全体で意見交換を行った。そのなかで、参加された企業側からは事前に挙げたテーマに沿っていただいた資料(運転者不足の対策/貸切バスの新運賃・料金制度移行後の現状と課題)をもとに、意見交換を行った。
「広告媒体活用強化、乗務員自社養成制度導入、女性乗務員の積極的活用/回送運賃の問題、旅行業者からの有料道路や宿泊などの経費負担要請、貸切バス利用者の減少(北海道中央バス)、慢性する運転者不足でダイヤ減便/待機時間の問題(弘南バス)、運転者の処遇改善、高卒採用、雇用延長(73歳)/周知徹底と制度の遵守が必要(山交バス)、募集するも定着しない/運転者不足で仕事が回らない(仙台バス)、免許取得費用全額負担や新卒採用/自社で旅行業、下限割れで営業している事業者が存在(会津乗合自動車)、採用活動の多頻度化、免許取得補助制度、教習所や自衛隊援護協会との連携強化/旅行単価値上がりによる部活動遠征等の学校教育関連需要の低下や募集型旅行商品の低迷、中抜けの問題(新潟交通)、免許取得費用助成制度導入討/待機時間の時間制運賃の問題(頸城自動車)、乗務員紹介制度を導入/手数料引き上げの強要、運賃ダンピングが見受けられる(東洋バス)、運転者の確保には人件費増額が必要、合宿免許取得者の運転レベルが低い/制度が浸透してきており現在はさらなる制度の周知徹底(東都観光バス)、現状では運転者不足感はない/オフシーズンの対策、健康診断の充実、車両への安全装置の設置(阪急観光バス)、大卒運転者の募集、大学との連携/稼働率の低下、安全性の強化(両備ホールディングス)、免許取得助成制度/ガイド需要の低下、ブロック単価の問題、回送キロ・時間に左右されない料金体系の構築、安全性評価制度の恩義の拡大(サンデン交通)、運転者の応募倍率を高めるとともに離職率低下策実施。今後は女性運転者の採用検討(広島交通)、運転者養成制度、紹介制度、支度金制度、社員登用期間の短縮/待機時間の問題、下限運賃割れ事業者が存在、エージェントへの監査強化(一畑バス)、公休・有給の取得促進、高卒からの運転者育成採用の検討/インバウンドの増加、地震による影響で大幅なキャンセル(九州産交バス)、求人誌募集や免許取得費用負担及び紹介制度・支度金制度(熊本都市バス)、嘱託運転者要請制度、福利厚生制度の充実/収入増加も日帰りバスツアー代金アップによる集客の減少、回送運賃の問題、待機時間の時間制運賃の問題、地震によるキャンセン増加(西肥自動車)、大型二種免許取得支援制度の導入、テレビコマーシャルの放映/営業の事務量の増加、地震の影響で観光客激減により新運賃料金制度の下限割れが発生(祐徳自動車)、大型二種免許取得支援制度拡充、祝金制度、紹介制度、賃金を含めた処遇改善/見積もり依頼の増加、法外な手数料強要(昭和バス)」などが出された。



 これらの意見対して、戸崎顧問、船戸常務理事や黒岩課長補佐が応えながら、全体で意見交換を行い、盛会裏に終了した。
 
 

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 なお、懇談会の前日、一畑電車㈱を訪れ、一畑電車の試乗や整備工場の視察、また、実際に電車の体験運転などを行い有意義な懇談会となった。

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幾度となく重大事故が繰り返される。その都度、安全規制が強化されるが問題は、守れない事業者にいかに守らせ、守れなければ排除すること。誤った規制緩和を是正し、利用しやすい公共交通の確立をめざし、行政に対して政策を訴え続けます。掲げた政策の実現のため日々、努力あるのみです。


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■  「長距離運行の安全を確保するには」

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労働の科学 5月号

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■  「保安要員」義務化を

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■  繰り返される事故~国対策も安全確保不十分

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写真「バス事故」

■  第1回バスの運転者の確保及び育成に向けた検討会~「バスの運転者が足りない!」

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■  高速バス新時代 勝ち抜く条件は?

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■  関越道高速ツアーバス事故から1年/安全規制は?

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■  貸切バスにも距離基準

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■  第5回高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会

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